新田原古墳群は西都原古墳群の東側、一ツ瀬川を挟んだ児湯郡新富町から西都市にかけての標高70mの台地上など広い範囲に分布する古墳群の総称です。
新田原古墳群は前方後円墳25基、方墳2基、円墳180基の総数207基からなり、祇園原や春日地区、山ノ坊・竹淵地区などに集中しています。そして平成4年(1992)には祇園原地区の圃場整備事業に伴う発掘調査で多くの消失した古墳の周溝や地下式横穴が発見されました。
現在、古墳群の保存整備が計画される中、墳丘長約80mの前方後円墳である58号墳(百足塚)の確認調査で、古墳が6世紀前半に築造され2段築成で盾形の周溝とそれに沿って外堤を巡らすこと、墳丘各段に円筒埴輪が巡り、墳丘部に横穴式石室の閉塞部も確認されました。
さらに西側外堤では、様々な人物埴輪や鳥、鹿などの動物埴輪、器財埴輪、家形埴輪など種類豊富な形象埴輪による葬送儀礼が行われたいたことが明らかになっています。「ひざまずく男性」などの他の古墳では見られない埴輪も出土し、1944年(昭和19)に国の史跡に指定されました。