イタンキ浜は室蘭の町の東の端、絵鞆半島の付け根にある全長1.7kmの砂浜の海岸のことです。
昔この辺りはアイヌ語で「フム・ウシ・オタ」(音・する・砂原)と呼ばれた地名があった事から調査したところ、このイタンキ浜は砂と砂の摩擦で歩いただけで音がする鳴り砂海岸である事が確認されました。
鳴り砂の条件として砂に石英粒が多い事、丸味とつやがある事、油やゴミなどで汚染されていない事などが挙げられます。
鳴り砂だけでなく景色の美しさから日本の渚百選にも選ばれています。また、こちらは海水浴場となっているほかサーフィンのメッカでもあります。そして背後に潮見公園の丘がそびえる事からパラグライダーのメッカでもあります。
食糧の不足していた日高アイヌの人々は沖でクジラの死体が岸に流れ着こうとしているのを見て、人々はここで流木を薪にしながらクジラが流れ着くのを待っていました。しかし彼らが見ていたものはクジラの死体ではなく沖合の岩でクジラが流れ着く事はなく薪の流木もなくなって、とうとう自分たちの大切な椀(イタンキ)までも燃やしてしまい結局全員が餓死した言い伝えがあります。このことからこの砂浜はイタンキ浜と呼ばれるようになった。