三之宮峡は、宮崎県小林市にある景勝地として有名です。
市内を流れる浜ノ瀬川上流にあり、九州山地南縁に堆積した加久藤溶岩凝灰岩層などが浸食された奇岩が卓越しており、屏風岩、千畳岩、他に河童洞、櫓の轟などの見所があります。また下流には、宮崎観光遺産に選定された陰陽石があります。
三之宮峡の特徴は、明治時代に、木材の運搬のために利用された素掘りのトンネルが11箇所も残されており、現在も遊歩道の一環として利用されています。このトンネルは当時のまま残されており、昼間でも常夜灯しか設置されていないために薄暗く、夏場でも冷気が漂います。
また、終点に「橋満橋」がありますが、この橋は1943年(昭和18年)に地元の人が自ら材料を購入し、地域振興隊と共に造られたアーチ式のコンクリート橋で、戦時中の鉄不足の中、鉄筋の代わりに竹を用いて架けられていいます。
カンチレバー式を用いて造られた「三之宮大橋」が完成するまで生活道路として使用され、1990年(平成2年)に市の有形文化財に指定されています。