歴史
和歌山県の串本町に位置する橋杭岩は、大小40余りの岩柱が海岸から850メートルにわたって並ぶ奇岩群です。その名前は、岩柱が橋の杭のように見えることに由来しています。岩柱は紀伊大島方面へ南西に並んでおり、海の浸食によってできたもので、伝説によれば弘法大師と天邪鬼が一夜で橋を架ける賭をした場所とされています。この景観は吉野熊野国立公園内にあり、国の名勝天然記念物に指定されています。
見どころ
橋杭岩の岩柱は、約1500万年前から1400万年前に地下から上昇したマグマの流紋岩の岩脈から成り立っています。海の浸食により岩の硬い部分が残り、それが橋の杭のように見える特異な景観を作り出しました。地質学的にも注目され、日本の地質百選「古座川弧状岩脈」にも含まれています。また、橋杭岩周辺はウチヤマセンニュウなど希少な鳥類の繁殖地でもあります。