善光寺の境内に入り、左に浄土宗大本願を見ながら進んでいくと石段があり、その石段を上ったところにある仁王門。善光寺の参拝者を迎える最初の門となっています。
宝暦2年(1752)建立のものが元治元年(1864)に再建されましたが、明治24年(1891)火災で焼失したため、現在の仁王門は大正7年(1918)に再建されました。
この門には善光寺の山号である「定額山」の額が掲げられています。
高さは13.6メートル、間口13メートル、奥行き7メートルのけやき造りとなっています。
左右に立つ阿吽の仁王像は高さ5mのかつらの寄木造りで、高村光雲と弟子の米原雲海による傑作です。
鉤鎖を握り開口するのが阿形、金剛杵[こんごうしょ]を手にして閉口するのが吽[うん]形で、迫力ある憤怒の形相が印象的です。
原型は善光寺史料館に展示されています。
また、仁王門の背後右裏には竃神、火伏せの神として広く信仰されている「三宝荒神」を、左裏には大黒・弁財・毘沙門の各身が合体した「三面大黒天」が安置されています。