サンゴ礁が目には見えないほどの歩みで隆起し、海から陸へと姿を変え続けている喜界島。海にはコバルトブルーの海を縁取る美しいリーフとビーチ。陸には風に揺れる見渡すかぎりのサトウキビ畑。山に入れば、神々しい雰囲気をたたえるガジュマルの巨木と“南の貴婦人”と呼ばれるオオゴマダラ蝶の優雅な姿が。時を重ねて作り上げられた楽天地の姿がここにあります。
サンゴ礁が取りまく島の姿をまるでなぞるかのように、家々の垣根にはサンゴの石垣が。たびたび来襲する台風を避けようと、背丈より高く積み上げた石垣は島ならではの趣きです。夏になると白ゴマが天日干しのためにずらりと立てかけられ、セサミストリートと化すのが風物詩。家々にはヤギ料理が伝わり、スープや刺身のほか、内臓や血を使って野菜とともに煮込むカラジュウリは郷土料理として人気のひとつです。島時間に身体をあずけて、スローな味を楽しんでみるのもいいかもしれません。