田ノ尻展望所から見える風景は、潮の流れによってできたおもしろい地形をしています。歴史は古く昔から親しまれていました。第2代薩摩藩主、島津光久がその美しさに「眺めの浜」とよんだことが名の由来という説もあります。
海を池のように閉じ込めてしまった形状。この形状に至るまでの歳月はどれくらいかかったのだろうかと考えてしまいます。閉じ込められた海の表面はとても静かで、神秘的な趣です。砂洲によって、なまこ池と貝池が仕切られ、その延長には鍬崎池、須口池をいだく砂洲もあります。
海の上をカーブしながら続く砂洲の上を歩くと、まるで広大な庭園を歩いているような気分です。こんもりとした緑、深い青をたたえた池、浮島のように池に突き出たコブが見え隠れし、著名な庭師の手になる造型のように見えてきます。しかし、なまこ池や貝池の名前のように、池の底にはなまこや貝たちがひっそりと身を潜めているのでしょうか。自然の防波堤は、そうした生きものたちの生息にも役立っているのです。