和歌山県東牟婁郡太地町、目前に森浦湾、那智連峰を仰ぐ常渡の浜の雄大な自然環境に囲まれた太地くじら公園の入り口にある『石垣記念館』は、アメリカ画壇で活躍した画家《石垣栄太郎》氏の作品及び、夫人であり評論家《石垣綾子》の著書や資料を収蔵・展示する施設。
妻である石垣綾子さんが石垣栄太郎氏の画業を、後生に伝える目的として、平成3年(1991)に私財を投じて建設。講演会や懇談会など、多目的に利用できる「小ホール」も併設。
明治42年(1909)に移民として渡米。大正9年(1920)から40年代にかけてアメリカ画壇で活躍した石垣栄太郎。館内の常設展示室では世界恐慌から第2次世界大戦へ至る暗い時代のアメリカの苦悩などをテーマにした力強いタッチが特徴の油彩やデッサンを展示。社会の恵まれない人びとに温かい眼差しを注ぎ続けた彼の想いを作品から感じるこることができる。