京都府木津川市にある岩船寺は「報恩院」とも呼ばれ、
天平元年(729)に聖武天皇の願いで行基により開創されました。
本尊は阿弥陀如来像。
813年に嵯峨天皇が皇子誕生を祈念して後の仁明天皇を授かったので嵯峨天皇の皇后が伽藍を整え、岩船寺と称するようになったといわれています。
山門の入り口にある船のかたちをした岩は、僧侶が沐浴に使ったといわれており、寺名の由来にもなった岩です。
1221年には承久の乱の兵火により建物のほとんどを焼失しましたが、室町時代に三重塔などとともに再建されました。
岩船寺の境内は深い緑につつまれた三重塔や本堂が山寺の雰囲気を漂わせています。
室町時代に建てられた三重塔は重要文化財に指定されています。
四季折々の花で彩られるその景色により、
関西花の寺第十五番札所に指定されています。
6月は紫陽花が青やピンク、紫など色とりどりに大輪を咲かせる「
アジサイの名所」です。
岩船寺の紫陽花は、約80年前に先代の住職が植えたのが始まりで、ヤマアジサイや西洋アジサイなど25種類、5千株が阿字池を囲むように咲いています。
7月からは池にさく睡蓮が見頃になります。
他にも、梅、椿、桜、睡蓮、百日紅、紅葉など、四季折々の草花が見られます。