「薬の町」として知られる道修町のビルの谷間に鎮座し、健康の神・医薬の神として知られる神社。
安永9年(1780)、以前から薬種商たちが道修町の仲間会所に祀っていた神農氏とともに、京都五條天神宮より少彦名命の分霊を勧請・合祀したのが始まりとされる。
日本の薬祖神である少彦名命(すくなひこなのみこと)と、中国で医薬の神・神農氏(しんのうし)をご祭神としており、「神農さん(しんのうさん)」とも呼ばれている。
少彦名神社では、薬の神として健康増進、交易の神として商売繁盛の神徳があるとされている。
薬にゆかりのある祭神を祀っていることから、医薬業に携わる会社・関係者などの信仰を集めている。
また、病気平癒・健康祈願や医薬業関連の資格試験合格を願う参詣者も多い。
大阪の土産として人気の「張子の虎」は当社の病除けのお守りだ。
文政5年(1822)に大阪で疫病(コレラ)が流行した時、疫病除薬として「虎頭殺鬼雄黄圓」という丸薬をつくり、病除祈願し無償でお守りの「張子の虎」とともに配ったところ病気が平癒したと伝えられる。
「神農祭」は毎年11月22・23日に行われ、大阪の年中行事が今宮戎神社の「十日戎」に始まり、この祭りで終わるので、「とめの祭」とも呼ばれ、現在でも「張子の虎」が配られる。
境内には「くすりの道修町資料館」もある。