歴史
秩父往還は、古くから埼玉県の熊谷から山梨県の富士川町に至る道筋であり、近世においては秩父市大宮郷を中心とする主要な道でした。この道は、日本武尊説話の舞台となる場所が存在し、大和朝廷の軍事的勢力拡大の進路を示していました。武田信玄も雁坂口を重要拠点とし、山梨県側に川浦・栃本に番所を設けました。秩父山地の標高2082mの雁坂峠越えは困難を伴い、荒れ果てた峠道となっていました。現在は国道140号とほぼ一致し、平成10年には雁坂トンネルの開通により、首都圏との主要な交通動脈となっています。
見どころ
秩父往還は、武蔵国と甲斐国を結ぶ古道の一つであり、甲斐九筋にも含まれます。美しい緑に覆われた道筋を進み、日本三大峠の一つである難所「雁坂峠」を越えます。現在の国道140号とほぼ一致しており、一千年以上の歴史を持つこの道は、日本武尊から多くの人々の足跡が辿られてきました。また、秩父には関所の跡である国指定史跡「栃本関跡」など、古代の名残も見られます。