歴史
萬翠荘は、1922年に旧松山藩主の子孫である久松定謨伯爵によって建設されました。この建物は、陸軍駐在武官としてフランスに滞在した経験のある定謨伯爵が、フランスの優雅な建築様式に基づいて設計しました。そのため、純粋なフランス風の魅力的な建物であり、当時は社交の場として様々な名士が集まる場所でした。また、皇族方も松山を訪れる際には必ず訪れたとされています。特に、昭和天皇である裕仁親王(後の昭和天皇)の松山訪問に合わせ、急いで完成させられたとの逸話が残っています。
見どころ
萬翠荘は、戦争の影響を免れ、当初の美しい建築様式や雰囲気をそのままに保存しています。これは、現代において非常に貴重な建築物と言えます。萬翠荘は、1985年に愛媛県の有形文化財として指定され、その後、2011年には本館と管理人舎が国の重要文化財に指定されました。建物自体が美術的な価値を持つため、愛媛県立美術館の別館としても使用され、郷土の芸術家の展示室としても活用されています。建物内部にはマントルピースや特注のステンドグラスがあり、見どころが豊富です。