保津峡(ほづきょう)は、京都府亀岡市から京都市右京区嵐山の渡月橋に至る保津川(桂川)の渓谷である。保津川峡谷とも。
丹波高地を発した桂川は、亀岡盆地から京都盆地に出るまでの11.5kmにわたって愛宕山南麓の狭隘な山間部を蛇行して流れている。この山間部の渓谷が保津峡である。
直線距離にして7.3kmを11.5kmもかかって流れるこの蛇行の原因は保津峡が先行谷であることによる。これは勾配が緩いため川が自由に蛇行していたあとから、川を横切るように東西走向の丹波層群が徐々に隆起したが、その速度よりも谷の侵食速度が速かったために、蛇行していた流路がそのまま残ったものである[2]。
渓谷は巨岩、巨石に富んだ急流と瀞が続き、大高瀬、二股の瀬、殿の漁場、女渕、烏帽子岩、鎧岩、かえる岩、書物岩、ライオン岩などの見どころが連なっている。左岸にハイキングコースはあるものの、嵐山からJR保津峡駅の間は清滝を経由していて渓谷沿いではない。