セタカムイ岩は古平の町から国道229号線を東に4kmほど走った沖歌トンネルと豊浜トンネルの間にセタカムイ道路防災記念公園があります。この公園のすぐ近くでは1996年に豊浜トンネル崩落事故が発生し、27000トンもの巨大な岩石がトンネルを押しつぶし、路線バスに乗っていた高校生を含む20名の尊い命が失われました。
その犠牲者の霊を祭った慰霊碑と、事故概要やトンネル防災に関する展示コーナーもあります。この公園の海岸沿いからは高さ80mの巨大なセタカムイ岩が見えます。
セタカムイとはアイヌ語で「犬の神」という意味で、このセタカムイ岩にはそれにまつわる悲しい伝説がありますがそれは沖に出た漁師が暴風雨にのまれてしまい、浜で主人の帰りを待ち続けた飼い犬が遠吠えしたものがこの岩となったというものです。
このセタカムイ岩もかつてはもっと近づく事ができましたが豊浜トンネル崩落事故の影響で豊浜トンネルが廃道となった今では、セタカムイ岩は防災記念公園からしか見れなくなってしまいました。しかしここからはセタカムイ岩が東に見える為、セタカムイ岩越しに昇る朝日を眺める名所にもなっています。