くぐり岩は乙部の町から南西方面にある国道229号線から海側に向かって脇道に入り、行き止まりにある駐車場から急坂を下って滝瀬海岸に出ると、シラフラと呼ばれる美しい砂浜が広がっています。
このシラフラの北側には海まで張り出した大きな岩があり、この岩は滝瀬海岸を南北に分断しています。1600年頃ニシン漁をする上で邪魔になることから人の手によって薄い岩の中央に穴が開けられて人の通行が可能になりました。この事よりこの岩はくぐり岩と呼ばれるようになり、今では乙部の観光地となっています。
新第三系館層のシルト岩・砂岩互層からなる岩の穴は比較的大きく、人が余裕で通り抜けることができるほどの大きさの穴がぽっかりと空いています。長年の波浪に浸食されて人手によって削った跡も見えません。くぐり岩には地層の跡が見え、くぐり岩の南側からもこの穴越しに乙部の地層を見ることができます。この滝瀬海岸にはこのくぐり岩の他にもこうした岩場があり、さらに周囲を断崖に囲まれていて、その断崖にも地層の跡を見ることができます。