黒岩奇岩はJR函館本線の黒岩駅のすぐ南側に、国道5号線が線路を越える跨線橋があります。この跨線橋の東側の海岸沿いにある岩が黒岩奇岩です。
この岩は海底火山により生成された流紋岩で、広い砂浜の海岸にここだけ岩がごつごつしていて頂上には「御即位記念碑」と書かれた石碑が建っています。手前には東屋と赤い欄干の橋があり、この橋を渡ると鳥居と祠があります。
そしてここにはアイヌの伝説があり、室蘭に住んでいたアイヌの人々は舟でこのユーラップと呼ばれた八雲に移住しようとしました。
しかしその時駒ヶ岳が噴火し降灰のため舟が進まなくなってしまったところ、酋長は神々に酒をあげて無事に目的地へ着けるように祈りました。急に何者かが一同の乗る舟を負うて走り出しました。しかしあまりに早くて舟がひっくり返りそうになったので再び祈ったところ、今度は静かなものが肩を変えてくれたので無事に黒岩に着くことができました。
それからは神の使いによって無事に着いた黒岩の地を尊いものにしたというものです。
祠は大正時代に大漁と海難防止を願って建てられ、1973年に東屋や橋が整備されました。