清水寺は、京都市東山区清水にある寺院です。山号は音羽山、本尊は千手観音です。
西国三十三箇所観音霊場の第16番札所で、1994年には「古都京都の文化財」を構成する遺産として世界文化遺産に登録されました。
清水寺の始まりは、賢心という大和の僧が夢のお告げをもとに訪れた音羽山の滝で、行叡居士(ぎょうえいこじ)という老仙人で出会ったことから。賢心は行叡居士の言葉に従って、庵を結ぶことにしました。
2年後、鹿狩りをしに音羽山を訪れた坂上田村麻呂に対し、賢心は仏の教えを説きます。感銘を受けた坂上田村麻呂は後日寺院を建立し、「清水寺」と名付けたと伝わっています。
建立当初の清水寺は興福寺の末寺だったため、平安時代後期から鎌倉時代にかけて興福寺と延暦寺の抗争に何度も巻き込まれて焼討に遭いました。また室町時代には応仁の乱の影響で堂塔が全焼しており、現在に至るまで10回以上の火災に遭っています。現在見られる清水の舞台は、1633年に再建されたものです。
2011年からは保存のための工事が始まり、2017年に奥の院の修理が終わりました。歴史考証と化学分析をもとに、組物を極彩色に塗り直しています。その後、檜皮葺屋根の葺き替え工事と舞台の板の張り替え工事も完了し、現在は美しい姿を見られます。